カラダより先に削れたもの
夜職でつらかったことを書くというと、過激な話を期待されることが多いけれど。
私の場合はメンタルが削られることが生活でつらく感じました。
清潔感のない相手と向き合うことの消耗
清潔感のないお客さんが、一番つらい時間でした。
特に心配だったのが、「病気」。
月1回の性病検査はあるものの、常に不安がつきまといました。
下着越しでも感じる強烈な臭い。
ぎっとりと皮脂で濡れた髪。
触れた瞬間にわかる垢。
接触を最小限にしながら、マッサージと施術をやり終える。
薄明るいベッドから逃げ出したくなりながら、心の灯りを消して時間を過ごしました。
お客さんが帰って感じるのは、「病気への焦り」。
自分を保つために、徹底的に口内とカラダを消毒しました。
初対面を繰り返す、夜職のプレッシャー。
私のプロフ写真は公開されているけれど、お客さんのことは全くわからない。
初めてのお客さんに会うときは、嘔吐しそうなくらい緊張しました。
ひとりで髪や胸を撫でながら、駅やホテルで待ち合わせ。
それらしい人が通ると、「この人じゃありませんように」とか、「この人だったらいいのに」とか、もやもやと考えていました。
新しい収入へのチャンスである反面、いつも心が削られる瞬間でした。
「ガチ恋」さん ~結婚を迫られたとき~
会社員をしながらなので、性風俗の出勤は週に1~2日。
ほとんどリピートのお客さんだった。
高額なお泊りコースで何度もつかってくれるお客さんがいた。
それが「ガチ恋」さんだった。
サービス内容を本当の恋心と感じて、本気(ガチ)で恋してしまうのだろう。
お泊りコースの日、ホテルに入ってソファに座った直後。
結婚を申し込まれた。
ガチ恋さんが交際をほのめかすのは初めてではなかった
それでも、このタイミングは違うだろ?!
「収入」と「気持ち悪さ」を天秤にかけながら、無難に乗り切る一言を探しました。
はっきりと強く言えないわたしは、頭が真っ白になってしまいます。
今はお金も仕事も必要だからと、なだめてお伝えしました。
翌日のお昼、日差しを浴びて帰りながら消えたくなりました。
それでも、救われた瞬間もあった
それでも、すべてが絶望だったわけではありません。
素敵なお客さんが、デートコースで楽しい時間を過ごさせてくれたこともありました。
見晴らしの良いカフェで待ち合わせて、気持ちよく施術して、夕食をごちそうになって帰りました。
楽しいデートでした。
また、リピートのお客さんでわたしの話を聞いてくれる人もいました。
人として扱われる感覚がうれしくて。
お昼の仕事の愚痴や、死にたい・消えたいとか生きるつらさまで、その人には話せてしまいました。
こちらも幸せをもらうような。
そんな時間があったことも事実です。
カラダじゃなく、生活とこころ。
結局のところ、夜職は身体じゃなくこころをすり減らしました。
夜職を辞める直前は、友人に聞いたところすごく冷たい人間になっていたそうです。
自分のもっている価値観や自尊心を無視する毎日。
誰にも話せず、痛みがマヒしてなくなっていくような感覚が生活にありました。
夜職が向いるひとなんていないと思います。
今の自分は抑鬱(よくうつ)から回復する過程ですが、心をすり減らしすぎない働き方・距離感を組み直しているところです。
同じ場所にいる人へ、「いつも頑張ってえらいね」と伝えたいです。
🌙 静かな相談室
夜の仕事、心の消耗、働き方、言葉の整理。
静かに話を聴いています。

